グロテスク文様
2023年09月16日
ようこそ客席のないレストランKEYAKIへ
今日は、KEYAKIのお皿コレクションから
「フロレンティ-ン ターコイズ」というお皿を紹介します。
ターコイズカラーを基調としていて、ボーダー状のデザインをよく見るとグロテスクなんです。
中央のフルーツの可愛らしさでバランスが取れている、なんだか不思議なお皿です。
1759年創業のイギリスの有名な食器メーカーのお皿です。日本でも長い間親しまれているお皿で、もちろん現在でも作られています。
フロレンティ-ンに描かれているボダーのグロテスク文様を調べてみました。
ギリシャ神話の「グリフィン」がモチーフで、グリフィンとは鷲の頭と翼、ライオンの胴体を持ち、黄金を守護とする空想の優れた動物のことです。
西洋版「鳳凰」と言うところでしょうか。
ポアッソンアラクレーム(鮮魚のクリームソース)をこの皿でお出しした、ある日のディナーの事を思い出しました。
この皿の中央に魚を盛り付けると、皆さんの想像通りかなり重い色合いの仕上がりになります。ましてやその日のシェフは悪魔にとりつかれたように、色のないガロニ(付け合せ)とまさかのバルサミコソース。これ以上暗い料理はない。
お客様は初老の女性。お魚を食べ進むにつれ「ホッとしたわ」。そうです、可愛いいフルーツが見えてきたのでした。
私もそれ以上にホッとしました。
シェフ曰く、「フルコースって楽しいね」。その日のビアンド(肉料理)は思いっきり明るい料理だったような気がします。
フロレンティーンの世界観にまた、深いものを感じました。
客席のないレストランKEYAKI
支配人